津軽鉄道が旧型客車を特別運行 夜行列車の旅も 「五所川原立佞武多」の曳き手体験付き

津軽鉄道は、沿線の青森県五所川原市で開催される夏祭り「五所川原立佞武多(たちねぷた)」に合わせ臨時列車を運転するほか、レトロな旧型客車を使用した特別列車の運行を企画しています。

津軽鉄道のディーゼル機関車DD352号機のけん引による旧型客車列車のイメージ(画像提供:日本旅行)
津軽鉄道のディーゼル機関車DD352号機のけん引による旧型客車列車のイメージ(画像提供:日本旅行)

花火大会・夏祭り期間は臨時列車を毎日運転

青森県各地で伝承されている「ねぷた」「ねぶた」は、真夏の睡魔を追い払う民俗行事「眠り流し」をルーツとし、次第に華やかな灯籠祭りに発達したと考えられています。明治後半の五所川原では、当時の豪商らが富の象徴としてねぷたの高さを競い合っていました。しかし、大正時代に入ると市街地に電線が張り巡らされ、大火による街の焼失も重なって巨大ねぷたは姿を消してしまいました。

転機をもたらしたのは、1993年(平成5年)に発見された明治・大正期のものとみられるねぷたの設計図です。古い写真も参考にして有志らが復元作業にいそしみ、約1世紀ぶりに高さ27mに及ぶ巨大ねぷたが五所川原に復活しました。これを「立佞武多」と名付け、練り歩くコースの電線地中化が完了した1998年(平成10年)、市民総出の夏祭りとして再出発を切りました。

五所川原立佞武多の知名度は年を追うごとに上がっていき、多くの観光客を集める東北有数のイベントとなりました。2023年は8月4日(金)〜8日(火)の日程で行われ、前夜の8月3日(木)には五所川原花火大会も開催されます。津軽鉄道は花火大会と祭り期間の計6日間、最終列車後に上下各1本の臨時列車を運転します。

また、祭り開催の5日間、全国でも希少な旧型客車列車が特別運行されます。8月4日(金)〜8日(火)は日中の定期列車のうち1往復が旧型客車2両編成に置き換えられ、DD350形ディーゼル機関車がけん引します。混雑状況により一般車両が増結される場合もあるとのことです。使用する客車は冬季に「ストーブ列車」として運行しているものですが、ストーブは焚かれず、乗車券のみで利用できます。

(花火大会・立佞武多期間中の臨時列車、旧型客車の特別運行、夜行列車ツアーなど詳細は下の図表を参照)

【時刻表で解説】花火大会・立佞武多期間中の臨時列車、旧型客車の特別運行、夜行列車ツアー

“ねぷた”を曳いて“夜汽車”で車中泊する体験を

さらに、8月7日(月)の深夜から8日(火)早朝まで、旧型客車を使用した夜行列車が津軽五所川原駅〜津軽中里駅間を2往復します。かつて奥羽本線で東京と津軽を結んでいた急行「津軽」をイメージしており、ボックスシートで一晩を明かす昭和の夜汽車気分を味わうことができます。折り返しの津軽中里駅では1時間程度の撮影タイムが用意されるほか、金木駅やほかの途中駅にも停車する予定です。

これは、青森県西北地域の観光を盛り上げる鉄道旅モニターツアーの第1弾として企画されたもので、日本旅行東北(本社:仙台市)が旅行商品として販売します。

このツアーのもう一つのハイライトは「立佞武多曳き体験」です。五所川原市からプレゼントされるTシャツを着用して「曳き手」となり、地元の方と一緒になって真夏の祭典に参加できる貴重な経験ができるというものです。観光施設「立佞武多の館」の見学も付いています。祭りの時期は周辺ホテルがどこも満室となりますが、夜行列車で車中泊するので宿を確保する必要もありません。

旅行代金は大人・小児同額のお一人18,000円です。募集人数は80名で、ゆったり乗車できるよう、1名につきボックス2席を占有できるプランです。 日本旅行東北の専用予約サイトで申し込みを受け付けており、締切は7月21日(金)です。

なお、県西北地域の鉄道ファン向けモニターツアーは今後も続き、2023年中に計5回実施の予定です。津軽鉄道やJR五能線を活用した「鉄道ファンの夢を実現するような魅力的な旅行商品」が続々登場するとのことです。

【青森・弘前市】津軽藩ねぷた村入場チケット
敷地内には国の登録文化財「揚亀園」も有し、各種、民工芸制作体験も可能です | 津軽三味線の生演奏を毎日行っております
– JR弘前駅前4番バス乗り場から100 JPY循環バス(ためのぶ号)に搭乗して「津軽藩ねぷた村」で下車(運行期間:04/01 – 11/30)
– JR弘前駅から弘南バス(浜的町・石渡線)に搭乗して「龜甲町角」下車
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(提供:KKday)